全ての味蕾は消耗品である
人間の味覚というのはぶっちゃけある意味おかしい。
普通の生物、っていうのはなかなか定義しにくいけど
少なくとも多くの生物のそれとは違うように思える。
極端な言い方をすると、味覚異常?
基本的に多くの生物は糖分と塩分に関しては結構好む
傾向にあるわけで。人間もそれは一緒だ。
甘み、塩辛さを好むのは本来生存必須だから。
エネルギー源であるブドウ糖や、陸上での生存に欠かすことの
出来ないミネラルなんかを補給するためには、当然それらに
関する味覚を発達させる必要があるわけで。
結構有名な話だとは思うのだが、東南アジアで子供たちが蝶を捕獲
する際に自分の尿を使うということがあってな。
なんで尿なんかに蝶が寄るのかって言うと、塩分補給のためである。
糖分と塩分は基本的に重要だからなぁ。
例えば子供は甘いモノが好きだろ?
やはり甘いものを入手するってのは本能的な部分が大きい。
ところが人間、酸味や苦味も好む。
もともと生物において酸味や苦味 = 腐敗や毒だから
避けるはずである。
酸味も苦味も微生物による腐敗の結果生まれる産物であることも
結構多いからなぁ。
当然、多くの動物は忌避する傾向にある…
例えば、私事で申し訳ないのだが。
昔近所に犬がいて、隣の家族とおんなじくらい可愛がってた。
その犬にオロナミンCあげたら、すごくびっくりして嫌がった。
犬ってびっくりするとキャイーンって本当に鳴くんだな。
ていうか、そもそもそんなものやるなよ犬に。
…でもソーダとか飲む犬もいるんだよな。実際。
ある種慣れなんだろうなぁ。
さすがに近所の犬をオロナミンC好きにさせるのには失敗したけど。
実際問題さ、
「お前も一度喰ってみろ、やみつきになるぞ!」
ってもの結構多いよな。
納豆とかナマコとか、絶対最初食うの嫌だったはずだと思う。
最初に食った奴勇気ありすぎるだろ。
(当然勇気と無謀は紙一重で、死んだ奴も多いだろうなぁ)
それどころか人間ってのは、本来食えないはずの食材をどうにかして
食おうとしてあれやこれやの手を尽くしまくってるよな。
人類史は食物の毒との戦いだともいえるし。
…ふぐの卵巣を食う方法なんかどうやって思いついたんだよ!
http://www.excite.co.jp/News/bit/00091098081224.html
ふぐにしてみたら、
「俺毒もってるのに何でこいつら俺狙うんだよ!て言うか食うな!」
正直こんな気分じゃなかろうか。ま、君らが旨いからなんだがな。
さて、そんな味覚ってのは舌の上を中心に口の中にある味蕾が
低分子水溶性物質を受容することにより成立する。
実際俺らの先祖が魚だったころは、嗅覚より味覚がもっと大事だった
んじゃなかろうか。
変な言い方なんだが、いいにおいのするほうにいくのではなく、
美味しい方に向かって泳いでいくのだろうと思う。
周り全部水の環境で、美味しい物質のある方に移動して行くだろうなぁ。
旨そうな有機物のほうに寄っていく。
意外とうま味なんてのもその頃から認識できたのかもしれない。
あとフェニルチオカルバミド(PTC)受容能力なんてのもその頃
出来たんだろうか?俺持ってないけど。味盲だから。
実のところ陸上よりも水中の方が有機物豊富ともいえる。
正直なところ海中の方が陸上よりも生産量が大きいのだ。
なんだってそんなところから逃げたかったんだろうなぁ。俺らのご先祖。
まあ食われる側だったら仕方ないけど。
にしたって、腐敗物好きなのはその頃の名残かねぇ?
苦味があるっていうのとか、納豆とか食いたいってのは。
あとクサヤにホンオフェ、シュールストレミングスってか?
俺らの先祖がスカベンジャー(腐肉食動物)だとしたら納得が
いくような気もちょっとするのではあるが。
存外そうなのかもしれないし、少なくとも納豆平気で食えるなら
その遺伝子も間違いなく受け継がれているのだろうなぁ。
こちとらわざわざ宣伝されるまでもなく納豆食ってたというのに…
あーでもさすがに、某菓子メーカーのはしばらく食えない気がする。
…よく食中毒起きなかったな。やっぱり俺らスカベンジャーの子孫か(汗)
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